3D造影技術:SPECT
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 06:21 UTC 版)
「テクネチウム99m」の記事における「3D造影技術:SPECT」の解説
詳細は「単一光子放射断層撮影」を参照 単一光子放射断層撮影(Single Photon Emission Computed Tomography、SPECT)は、ガンマ線を用いた核医学画像診断法の一つである。SPECTは、99mTcを含む、ガンマ線を放出するあらゆる放射性同位体を使用する事が出来る。99mTcを使用する場合、放射性同位元素を患者に投与し、放出されたガンマ線を移動するガンマカメラに入射させて画像を計算・処理する。SPECT画像を取得するには、ガンマカメラを患者の周りで回転させる必要がある。回転中の決められたポイント(通常は3~6度毎)で投影画像を取得する。殆どの場合、最適な画像を再構成する為に360°回転させて使用する。各投影の取得にかかる時間も様々であるが、通常は15~20秒である。これにより、総撮影時間は15~20分となる。 放射性同位元素である99mTcは、主に骨と脳の造影に使用される。骨造影では、過テクネチウム酸イオンが直接使用される。過テクネチウム酸イオンは、骨の損傷を治癒しようとする骨芽細胞に取り込まれたり、(場合によっては)骨腫瘍(原発性または転移性)に対する骨芽細胞の反応として取り込まれたりする。脳造影では、99mTcをキレート剤のHMPAOに結合させて、テクネチウム99mエキサメタジムを作る。この薬剤は、脳の領域の血流に応じて脳内に局在する為、脳の領域の血流や代謝が低下する脳卒中や痴呆性疾患の検出に有用である。 最近では、99mTcシンチグラフィとCTコレジストレーション技術(2つの画像の解像度を合わせる技術)を組み合わせて、SPECT/CT造影を行う様になった。これは、SPECT造影と同じ放射性物質を使用し用途も同じであるが、より細かい解像度が必要な場合に、高濃度に取り込まれた組織の3次元的な局在部位をより細かく確認する事が出来る。例えば、99mTcの錯体であるセスタミビを用いたセスタミビ副甲状腺造影(英語版)は、SPECT装置でもSPECT/CT装置でも実施可能である。
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