3つの伏線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 00:26 UTC 版)
「そして誰もいなくなった」の記事における「3つの伏線」の解説
作中に真犯人がローレンス・ジョン・ウォーグレイヴであることを暗示する読者に対する3つの伏線があり、最後に明かされるウォーグレイヴの犯行手記では他の登場人物たちがU. N. Owenの正体を暴くことが出来る3つのヒントとして記されている。 1つ目のヒント 第一のヒントは、夕食後にレコードで告発された罪状の真偽である。ウォーグレイヴ判事は、ある裁判で陪審員を誘導して不当に死刑判決を出したが、死刑執行後に有罪を裏付ける証拠が見つかっており、U. N. Owenが島へ招待する条件としていた「罪のない者を殺害した」という罪状には当てはまらない。そのため、ウォーグレイヴはゲストとして島に居たのではない、つまり、ホストとして島に居たことを暗示している。 2つ目のヒント 第二のヒントは、燻製ニシン(英: Red Herring)の「人の気をそらすもの」という慣用句的な意味である。童話の6番目の歌詞「A red herring swallowed one」になぞらえられたアームストロング医師は誰か(真犯人)に欺かれたということを暗示している。誰もが疑心暗鬼にある状況下で彼が信用しうるのは顔見知りのウォーグレイヴ判事のみである。事実、ウォーグレイヴ判事の犯人探しのための偽装死亡に協力した直後に行方不明となり、ウォーグレイヴに巧妙に欺かれている。 3つ目のヒント 第三のヒントは、ウォーグレイヴ判事の顔にある「カインの刻印(英語版)」である。カインの刻印は旧約聖書に登場するカインが神に付けられた印で、神がカインが誰からも殺されないように付けたものである。これはウォーグレイヴ判事は誰からも殺されていない、つまり、自殺したことを暗示している。
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