2015年版の映画
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「日本のいちばん長い日」の記事における「2015年版の映画」の解説
2015年(平成27年)、原田眞人監督により再び映画化された。製作・配給は松竹。「THE EMPEROR IN AUGUST」の英語タイトルが原田によって付けられている。第二次世界大戦後70年に当たる2015年(平成27年)8月8日に全国公開された。 半藤一利の『日本のいちばん長い日 決定版』を原作とし、さらに同作品の公開年に宮内庁から公表出版され始めた『昭和天皇実録』や鈴木貫太郎首相を描いた『聖断 昭和天皇と鈴木貫太郎』の要素も加えられている。原田は1967年版について、「(陸軍大臣の)阿南さんの魂の相剋(そうこく)の描写も物足りなかったし、軍人は坊主でもなく不満を感じた。完全な映画化とは言えなかった」と不満を口にしている。 原田は「半藤先生の幾多の終戦にまつわる著作を何回も読み、天皇の勇気を支えたのが終戦内閣の鈴木貫太郎首相と阿南惟幾陸相のふたりであるとも確信しました」とコメントし、阿南と鈴木を軸に本作を製作したことを述べている。また、主要な人物である鈴木、阿南、昭和天皇をそれぞれ「父、長男、次男」と捉え、三人を中心にした「家族」をテーマに描いている。 また、大東亜戦争を扱った映画の中で、昭和天皇の姿を明確に描いた最初の日本映画とされる。昭和天皇役の本木雅弘は当初本作の出演オファーを受けるのを躊躇したが、義母である樹木希林の後押しでオファーを引き受けた。 1967年(昭和42年)公開の前作では主要人物でありながら、公開時がいまだに本人の存命・在位中ということもあり「特別な扱われ方」がなされた天皇であったが、本作では「ひとりの人物」として描かれている。また、前作の映画では登場しなかった香淳皇后が、本作では夫の昭和天皇との食事シーンにおいて池坊由紀が演じる形で登場した。
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