1970年のヤクルトアトムズ (1970ねんのヤクルトアトムズ)では、1970年のヤクルトアトムズ の動向をまとめる。
この年のヤクルトアトムズは、別所毅彦 監督の3年目のシーズンである。
概要
この年の1月、産経新聞が保有していた球団株をヤクルト本社に完全譲渡(ただし、テレビ・ラジオ中継などの後援関係は維持)し、ヤクルト元年のこの年は4月を5勝7敗1分とまずまずのスタートも、5月に4連敗以上を3回記録して最下位に転落した。6月は4連勝を含む7勝11敗と健闘するも、7月4日から11連敗となった。8月4日から始まった連敗が11となったところで別所監督が解任され、小川善治 2軍監督が代理監督を務めた。だが、監督交代後も連敗は続き、球団史上最長タイの16連敗[ 2] (2回目は2019年 )を喫し、最下位に終わった[ 3] 。所属する選手にも不祥事が相次ぎ、6月18日には無免許運転 で事故を起こした加藤俊夫 が無期限出場停止、9月8日にはこの時期球界で騒がれていた「黒い霧事件 」がヤクルトにも飛び火、桑田武 がオートレース八百長で逮捕され出場停止、そして加藤と同期入団の奥柿幸雄 が失踪で引退になるなどまさに踏んだり蹴ったりの状態だった。投手陣は石岡康三 と浅野啓司 の6勝が最高で、前年9勝の2年目・藤原真 も僅か1勝(10敗)しか挙げられず、石戸四六 、松岡弘 ら主力投手陣も大きく負け越すなど崩壊した。頼みの綱の打撃陣もチーム総本塁打数69本、チーム打率.215で不振だった。対戦成績は6連覇の巨人相手にビジターで全く勝てず、5勝21敗で同一カード11連敗(うち3試合が完封負け)を喫した。しかし、唯一の明るい話題はチームでただ一人全130試合フル出場の東条文博 が28盗塁で初の盗塁王を獲得した。この年のドラフト会議 で3位の若松勉 を筆頭に、1位の山下慶徳 、8位の会田照夫 、10位の杉浦享 と1978年 初優勝時のV戦士が指名されて入団。また前年のドラフト会議 で大洋 に1位指名されながら入団を拒否し、アメリカ野球留学をしていた荒川堯 (早稲田大学 )が10月7日にいったん大洋に入団した後、12月26日 にトレードで入団した。なお、荒川は翌シーズン開幕から1ヶ月間出場停止のペナルティを受けたが、チームにとって新たなスターが誕生した。
ヤクルトアトムズの当年及び近年のシーズン成績
年
成績
リーグ
勝
敗
分
率
平均得点
打率
本塁打
本塁打率
盗塁
防御率
平均失点
開幕時監督
1970
レギュラー敗退
6位
33
92
5
.264
.
別所毅彦
1969
レギュラー敗退
5位
58
69
3
.457
.
別所毅彦
1968
レギュラー敗退
4位
64
66
4
.492
.
別所毅彦
1967
レギュラー敗退
5位
58
72
5
.446
.
飯田徳治
1966
レギュラー敗退
5位
52
78
5
.400
.
飯田徳治
1965
レギュラー敗退
6位
44
91
5
.326
.
林義一
1964
レギュラー敗退
5位
61
74
5
.452
.
林義一
1963
レギュラー敗退
4位
65
73
2
.471
.
浜崎真二
1962
レギュラー敗退
6位
51
79
4
.392
.
砂押邦信
1961
レギュラー敗退
3位
67
60
3
.528
.
砂押邦信
1960
レギュラー敗退
6位
54
72
4
.429
.
3.55
宇野光雄
レギュラーシーズン
1970年セントラル・リーグ順位変動
順位
4月終了時
5月終了時
6月終了時
7月終了時
8月終了時
9月終了時
最終成績
1位
巨人
--
巨人
--
巨人
--
巨人
--
巨人
--
巨人
--
巨人
--
2位
広島
0.5
阪神
0.5
広島
5.5
大洋
5.5
阪神
3.5
阪神
3.0
阪神
2.0
3位
阪神
2.0
広島
2.0
大洋
6.0
阪神
6.0
大洋
6.0
大洋
4.5
大洋
10.0
4位
ヤクルト
3.0
大洋
5.5
阪神
7.0
広島
8.0
広島
10.0
広島
10.5
広島
15.0
5位
中日
3.0
中日
6.5
中日
11.5
中日
16.5
中日
14.5
中日
19.0
中日
23.5
6位
大洋
3.5
ヤクルト
9.5
ヤクルト
15.0
ヤクルト
21.0
ヤクルト
29.0
ヤクルト
35.0
ヤクルト
45.5
オールスターゲーム1970
できごと
選手・スタッフ
監督
一軍コーチ
二軍監督・コーチ
52 小川善治 (8月21日より監督代行)
55 田口周
57 赤坂宏三
投手
捕手
内野手
外野手
[ 4]
表彰選手
リーグ・リーダー
選手名
タイトル
成績
回数
東条文博
盗塁王
28個
初受賞
ドラフト
出典
1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代