1952年に復元された「義經」と「しづか」
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「国鉄7100形蒸気機関車」の記事における「1952年に復元された「義經」と「しづか」」の解説
1952年(昭和27年)は鉄道開通80周年の年であり、多くの記念事業が計画されたが、鷹取工場では「義經」を復元することになった。7105は帝国車輛でテンダーを外し、不恰好な側水槽と炭庫を取付けられてタンク機関車に改造されており、わずか4ヶ月あまりの慌ただしい日程ではあったが、見事に動態復元された。 北海道では、1952年9月に日本製鋼所室蘭製作所で不要となった7106がかねての約束どおり国鉄に引き渡された。同機は、製鋼所でサドルタンク式のタンク機関車に改造されていたが、苗穂工場では7100の部品を流用して10月に復元を完成させた。復元の成った「義經」と「しづか」は東京に送られ、10月14日の鉄道記念日に原宿駅の宮廷ホームで揃って展示されている。一方で「しづか」に部品を提供した7100は、苗穂工場で解体された。 その後、「義經」は鷹取工場、「しづか」は苗穂工場に保管されたが、「しづか」は1962年(昭和37年)に小樽市手宮の北海道鉄道記念館(現在の小樽市総合博物館)に移され、翌1963年(昭和38年)には2両揃って準鉄道記念物に指定された。 「義經」は1982年に「みさき公園」の日本の鉄道博で動態展示された後、1990年(平成2年)には大阪市で開催された国際花と緑の博覧会の会場内でイベント列車として運転され、その後は大阪市港区の交通科学博物館に可動状態のまま2014年の閉館まで保存展示された。1997年(平成9年)には梅小路蒸気機関車館のSLスチーム号(蒸気機関車の体験乗車)として運転された。「義經」は、2004年(平成16年)に鉄道記念物に昇格した。 「義經」と「しづか」の両機は、1952年に東京で展示された後、再会イベントが度々行なわれており、1968年(昭和43年)、1980年(昭和55年)、2002年(平成14年)の3度、いずれも北海道鉄道記念館で再会を果たしている。 2010年10月14日には小樽市総合博物館で保存されている「しづか」も鉄道記念物に昇格した。 2014年3月12日、西日本旅客鉄道は4月6日をもって閉館する交通科学博物館から梅小路蒸気機関車館に移設するにあたり、「義經」を再び構内運転が可能な状態に復元すると発表した。同年10月頃に復元が完了し、SLスチーム号などとして構内運転をさせる計画となっている。同年10月10日、多くの鉄道ファンが見守る中、「義經」はその勇壮な走りを披露した。
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