モルフォとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > モルフォの意味・解説 

モルフォ【(ラテン)Morpho】

読み方:もるふぉ

翅(りんし)目モルフォチョウ属昆虫総称大形チョウで、翅(はね)は幅広く多く金属光沢のある青色に輝く。中南米分布タイヨウチョウなど。


モルフォチョウ属

(モルフォ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 01:20 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
モルフォチョウ属
ディディウスモルフォ Morpho didius
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: チョウ目(鱗翅目) Lepidoptera
上科 : アゲハチョウ上科 Papilionoidea
: タテハチョウ科 Nymphalidae
亜科 : モルフォチョウ亜科 Morphinae
: モルフォチョウ族 Morphini
: モルフォチョウ属 Morpho Fabricius1807

多数(本文参照)

ヘレナモルフォ(M. helena
タイヨウモルフォ(M. hecuba
ペレイデスモルフォ(M. peleides
ペレイデスモルフォ
シロモルフォ(M. polyphemus

モルフォチョウ(モルフォ蝶、学名Morpho)は、北アメリカ南部から南アメリカにかけて80種ほどが生息する大型のチョウの仲間。"Morpho" は、ギリシャ語で「形態」を意味し、アプロディーテーおよびウェヌス形容語句でもある。

タテハチョウ科・モルフォチョウ亜科・モルフォチョウ族・モルフォチョウ属に分類され、モルフォチョウ亜科はモルフォチョウ科 (Morphidae) という独立した科で扱われることもある。

生態

体にくらべて非常に大きな翅をもち、さらに翅の表側に金属光沢をもつのが特徴である。この光沢はほとんどの種類でに発色する。これは色素ではなく翅の表面にある形の鱗粉で光の干渉が起きるため、光沢のある青みが現れる。このような現象を構造色という[1][2]。また、不規則な軌跡を描いて速く飛ぶのも特徴である。鮮やかな翅の色を持つのは雄で、ほとんどの雌は雄よりも地味な茶色か青みが少ないことが多い。

翅の裏側には褐色や灰色のまだら模様がある。また、翅の裏には目玉模様(眼状紋)がある種類がほとんどで、分類上はジャノメチョウに近縁とされている。翅の表裏の色の変化で天敵を驚かせると考えられている。翅を閉じていると目立たない。

森林に生息する。幼虫はマメ科の植物を食べる。成虫の寿命は約1か月で、毒があるため、捕食者はあまりいない。成虫は花の蜜よりも腐った果実、動物の死骸、キノコなどを好む。雄は川沿いなどをパトロール飛行する習性がある。

生息地ではしばしば蝶園で養殖され、標本は土産物などにされている。モルフォチョウの標本は、体液が染み出て翅の構造色を損なうのを防ぐために腹部が除去されているものが多い。

採集方法

モルフォ蝶の採集方法は果実採集と青い銀紙による採集がある。

果実採集のために準備するものは、腐った果実とサトウキビである。バケツにサトウキビの絞り汁を入れてその中に果実を浸し、木の枝の上などに置いておくというもので、これはカブトムシなどの甲虫等も採集することができる。

銀紙による採集は、モルフォチョウの雄が青く反射するものを全て同種の雄と勘違いして追い払うために近づいてくる性質を利用したもので、銀紙の反射によってモルフォ蝶をおびき寄せ、網で捕まえる。この採集方法は、当時南アメリカで役人を務めていたフランス人ウジェーヌ・ル・ムールトが考え出したものである。

主な種類

モルフォチョウの多くにはギリシャ神話の登場人物の名が付けられている。

  • アキレアナモルフォ M. achilleana
  • アドニスモルフォ M. adonis
  • アナキシビアモルフォ M. anaxibia
    • ブラジル南部にだけに生息し、羽の色は青色で雌は羽のふちが茶色になっている。
  • エガーモルフォ M. aega
  • エロスモルフォ M. eros
  • カシカモルフォ Morpho cacica
  • キプリスモルフォ M. cypris
  • シロモルフォ M. polyphemus
    • 名前のとおり羽が白く、羽のふちには茶色の模様があり、腐った果実によく集まる。メキシコに生息。
  • タイヨウモルフォ M. hecuba
    • モルフォ蝶の中でも最大級(20cm)の茶色の羽をもつモルフォ。ブラジルに生息。
  • タミリスモルフォ M. thamyris
  • ディダミアモルフォ M. deidamia
  • ディディウスモルフォ M. didius
  • テレマクスモルフォ M. telemachus
  • ネスティラモルフォ M. nestira
  • パトロクルスモルフォ M. patroclus
  • ブリセイスモルフォ Morpho briseis
  • メネラウスモルフォ M. menelaus
  • モンテズマモルフォ M. montezuma
  • ルナモルフォ M. luna
  • レテノールモルフォ M. rhetenor

脚注

[脚注の使い方]

参考文献

  • Blandin, P. 2007. The Systematics of the Genus Morpho, Lepidoptera Nymphalidae Hillside Books, Canterbury.[1]
  • Blandin, P. 1988. The genus Morpho, Lepidoptera Nymphalidae. Part 1. The subgenera Iphimedeia and Schwartzia. Sciences Nat, Venette.
  • Blandin, P. 1993. The genus Morpho, Lepidoptera Nymphalidae. Part 2. The subgenera Iphixibia, Cytheritis, Balachowskyna, and Cypritis. Sciences Nat, Venette.
  • Blandin, P. 2007. The genus Morpho, Lepidoptera Nymphalidae. Part 3. The Subgenera Pessonia, Grasseia and Morpho and Addenda to Parts 1 & 2. Hillside Books, Canterbury.[2]

「モルフォ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

「モルフォ」に関係したコラム

  • 株式の投資判断とされるPBR変化率とは

    株式の投資判断とされるPBR変化率とは、現在のPBRが、過去のPBRと比べてどのくらい変化したかをパーセンテージで表したものです。PBRは、次の計算式で求めることができます。PBR=株価÷1株あたり純...

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「モルフォ」の関連用語

モルフォのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



モルフォのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ZDNetZDNet
Copyright ASAHI INTERACTIVE, Inc. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのモルフォチョウ属 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS