はる、やはる
大阪弁 | 訳語 | 解説 |
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はる、やはる | なさる、られる | 尊敬語。「なさる」の転。語幹が1音の動詞では「やはる」とも言うが、大阪では語幹を伸ばして「はる」に続けることが多い。大阪下町では目上に対してのみ用いていたが、船場では京都と同じく対等や目下、身内、動物、無機質な物にも用いた。対等や目下であっても親しくない人や、不特定の人、歴史上の人物などにも用いる。師匠あしたの試合見にきぃはりまっか? 大阪城造らはったんはもちろん大工さんやねん、東京でも大阪弁しゃべる人結構いてはるらしいわ、うちのお爺さんが生前よう言うてはったわ。大阪では京都で生まれた「はる」が動詞の連用形について、行きはる、食べはる、見てはる、と使う。京都では、行かはる、食べはる、見たはる、と、五段動詞の場合や助詞「て」の場合はア列音でつなぐ。また、「いはる」「いやはる」「いてはる」とはいうが、「おりはる」「おってはる」とは言わず、「なさはる」も言わない。助詞「て」を伴う現在進行や過去表現では、「行きはってる」「行きはってた」とは言わず、「行ってはる」「行ってはった」になる。命令形だけは「なはれ」の形をとる。東京の「(い)らっしゃる」「おられる」「お○○になる」に相当する語。「いく」に例えると敬語表現では、大阪で「いきはる」、北摂、河内で「いきやはる」、中河内で「いきゃある」、伊勢で「いかっせる」、伊賀で「いかっしゃる」、近江湖北で「いきやる」「いかんす」、近江湖東で「いかる」「いきやす」、大和盆地北部で「いきへる」、大和盆地中部で「いかる」、大和盆地南部で「いかいす」、志摩や丹後で「いきなる」、中丹で「いっとっちゃ」「いってやる」、北摂、南丹波、神戸、播磨で「いってや」、泉南で「いかれる」、近畿の外側地域で「(いって)みえる」。船場では明治まで「てや」も使われていた。 |
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