高拱派(反張居正派)の大臣・官吏
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「万暦首輔張居正」の記事における「高拱派(反張居正派)の大臣・官吏」の解説
魏廷山(演:楊洪武(中国語版)) 朝廷の大臣。内閣首輔・高拱の門下生であり、高拱派(反張居正派)のリーダー格の一人。張居正と敵対する関係だが、自身は公正無私で実直な性格であり、清廉潔白で賄賂の類も受け取ったことがない。高拱失脚後も、王顕爵と共に張居正の政策に反抗的な態度をとっていたが、それは決して私怨からではなく、あくまで国を思ってのことだった。張居正が実施した官吏給与の現物支給に猛反発し、多くの在京官員を動員して張居正を窮地に陥れようとしたが、その策略が多数の死者を出す大騒動に発展し、激しく後悔。大火事で混沌とする騒動現場から、数多の人命を救助し、自身も重傷を負うなど、改心して大いなる義侠心を見せた。 騒動後は一時、馮保によって命を狙われたが、張居正のはからいで命を救われる。その後、張居正の強い説得を受け、自身の行いを懺悔すると、以後は張居正の知遇を得てその忠実な部下となった。それからほどなく、山東巡撫として任地・山東に赴任。山東の税逃れの惨状を目の当たりにし、張居正に対して、現地田畑の測量調査実施を求めるなど、精力的に働いた。 王顕爵(中国語版)(演:張柏俊) 朝廷の大臣。礼部左侍郎。内閣首輔・高拱の門下生であり、高拱派(反張居正派)のリーダー格の一人。魏廷山とは対照的に、出世に貪欲で賄賂や不正にも手を染める。一貫して張居正に反抗的な態度を取っており、師の仇である張居正に対して私怨をも持つ。張居正が実施した官吏給与の現物支給に猛反発し、多くの在京官員を扇動して張居正を窮地に陥れようとしたが、その策略が多数の死者を出す大騒動に発展。騒動現場の阿鼻叫喚の大火事の様子を目の当たりにし、気が動転して体調を大きく崩す。最後は、火事のトラウマで激しく発狂し、自宅の井戸に身投げ自殺した。 雒遵(中国語版)(演:張雷) 朝廷の官吏。高拱の門下生。張居正が奪情(※ごく例外的に「守制」を行わず、引き続き官界に留まること)を行った際は、これに猛反対し、万暦帝の逆鱗に触れ、杖刑に処された上で辺境に流罪とされた。しかし張居正が死去すると、張居正の一派を粛清したいと目論む万暦帝に呼び戻され、恩赦を受けて中央官界に返り咲いた。 韓揖(演:肖楠) 朝廷の官吏。高拱の門下生。刑部主事。張居正が奪情(※ごく例外的に「守制」を行わず、引き続き官界に留まること)を行った際は、これに猛反対し、万暦帝の逆鱗に触れ、杖刑に処された上で辺境に流罪とされた。しかし張居正が死去すると、張居正の一派を粛清したいと目論む万暦帝に呼び戻され、恩赦を受けて中央官界に返り咲いた。
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