香港から台湾への移住者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 23:56 UTC 版)
「今日の香港、明日の台湾、明後日の沖縄」の記事における「香港から台湾への移住者」の解説
2021年現在、台湾は香港からの移民を歓迎している。2020年5月には、中華民国総統蔡英文が香港の企業や市民の受け入れ姿勢を示し、翌月には大陸委員会によって香港市民の移民窓口機関である「台港服務交流弁公室」が設置された。同年、香港から台湾に移住・亡命した市民は1万人以上に登り、2019年の移住人数のほぼ2倍を記録した。一方、台湾国内では、香港人の台湾への移住に関しては警戒する声がある。「台湾に移住した香港人が台湾を反共の拠点として利用しており、香港人が台湾に定住することで不動産価格が高騰し、台湾人の仕事が奪われることではなく、香港人の台湾定住により、中国共産党スパイの台湾に潜入する政治的・安全保障なリスクである」と言う声もある。 台湾で活動する香港出身の評論家、鄭立(中国語版)は、中国から台湾へと嫁いだ香港移民が、中国共産党による急進的な両岸統一を支持する中国生産党(中国語版)を結成し、台湾の立法会に立候補したことに触れて、「(中国)共産党勢力の侵略は世界中に広まり、台湾においても不安事項である」と述べた。葉承彥は「台湾は独立国であり、台湾独立に共感しない香港人の台湾定住を歓迎しない」と語った。 香港での反中運動や台湾・香港関係を研究している中央研究院台湾史研究所の呉叡人は、「台湾は過去に中国共産党の浸透度が高かったことがあり、それが台湾人の心にある種の恐怖感を生み出している」と語った。 これは、台湾で中国の干渉阻止する反浸透法が成立 した背景となっており、クライブ・ハミルトンのサイレント・インベージョンが執筆された背景とも重なっている。 台湾の住民の大半は自分を中国人ではなく台湾人だと思っており。これに対し香港では、自分を中国人だと考える香港人が少なくないことへの不信感がある。
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