食品による菌の抑制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 04:22 UTC 版)
「ヘリコバクター・ピロリ」の記事における「食品による菌の抑制」の解説
近年、食品によるピロリ菌の抑制効果が確認されている。発芽3日目のブロッコリーの新芽(スプラウト)を2か月間継続して食べた感染者において、胃の中に住むピロリ菌が減少したとの報告がされている。メカニズムはブロッコリー内に含まれているNアセチルLシステインの結合物質によりNアセチルLシステインと同じくピロリ菌の不活性化を行うと考えられている。。ブロッコリーの新芽に含まれるスルフォラファンも有効成分の一つと考えられている。また、梅に含まれるシリンガレシノールというリグナンの一種もピロリ菌の増殖抑制や胃粘膜への感染防御に有効であることが発見された。 このほか、緑茶、緑茶カテキンやココア、コーヒー、わさび、ショウガ、ニンニク、キムチ、ヨーグルト、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜に含まれるイソチオシアネート類などでも抑制が報告されている。さらに、ニュージーランド特産の蜂蜜であるマヌカハニーも、ピロリ菌駆除力を持つことが報告されている。 ただし、これら多くの食品による抑制効果は限られた調査対象や動物実験を基にしたものがほとんどである。また、特定の食品だけを過剰に摂取することは(たとえピロリ菌に対しては効果があったとしても)、全身の健康にとって良くないことは容易に想像できる。ヘリコバクター・ピロリ関連疾患の現実的かつ実践的な予防対策として、広範囲な疫学調査に基づき広く受け入れられているのは野菜と果物の摂取、および減塩である。
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