食品における腐敗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 02:50 UTC 版)
食品における腐敗とは、細菌類の作用によってタンパク質が分解し、人体に有害な物質が発生することをいう。炭水化物、脂肪などが分解し有害な物質が発生する作用を変敗というが、腐敗は変敗を伴うことがほとんどである。なお、主に酵母の働きによって無害に分解変化することを発酵、光、空気、水などの作用で実質が変化することを変質と呼ぶ。 腐敗に関与する細菌は体内で酵素を作りつつ増殖するが、酵素が食品中に分泌された場合、細菌とは無関係に食品に作用するようになる。食品が汚染され、酵素が分泌された後に殺菌を行ったとしても、腐敗は自動的に進行する。酵素を作り出す腐敗細菌としては、プソイドモナス、アクロモバクター、フラボバクテリウム、プロトイス、ミクロコツカス、セラチアなどが挙げられる。現在、厚生労働省では16種類の細菌を食中毒原因菌に指定している。 腐敗のプロセスは、食品の成分や細菌の種類によって異なり、メカニズムについてはっきりとしていない部分も多い。栄養価が損なわれているだけでなく、未知の毒性物質や病原微生物によって汚染されている可能性もあるため、腐敗した食品の摂取は好ましくない。 腐敗を防ぐには、原因となる細菌が食品に付着しないようにすることが必要である。また、細菌(および酵素)は適度な温度や水分のある環境で活発に活動し、食品を冷却乾燥させると活動が低下する。
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