音楽上の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 21:32 UTC 版)
独唱、合唱、オーケストラによって演奏・上演されるという点では西洋のオペラと同一であるが、大きく異なる部分もある。西洋オペラにおけるレチタティーヴォやアリアを廃止し、「有節歌謡」や「傍唱(パンチャン)」を用いている。 これらは、金正日の指示によるものであり、「有節歌謡」を基本におくこととした。「有節歌謡」は、各節からなる歌詞を最初の節の曲(1番)に合わせて歌うものである。一方、「パンチャン」は、舞台上の登場人物が歌うものとは別に、舞台の外にいる歌手や合唱が舞台上の人物の心境や場面の状況など客観的に叙述して代弁するというものである。また、金正日は、舞踊も必須の表現手段であるとみなして積極的に導入した。 金正日は、自らの著作『音楽芸術論』において「レチタティーボ調のメロディーをなくし、有節歌謡調のメロディーを創造しなければならない」と述べたうえで、レチタティーヴォを「非メロディー的な声楽形式」とし、レチタティーヴォの排除を主張した。その一方で、「有節歌謡」については「メロディーの本質的要求を十分に活かすことができ、人民の長い音楽言語的伝統と慣習に合うすぐれた音楽形式である」として、これを推奨する立場を表明した。特に「有節歌謡」に関する金正日のこだわりは強く、革命歌劇の創作において最も重要な点は、「歌を有節歌謡化するという党の方針を貫徹する」ことにあるとしていた。
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