非溶血性輸血副作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/25 08:11 UTC 版)
PC、次いでRBCの順に非溶血性輸血副作用が多く報告されており、副作用の種類は報告が多い順に「蕁麻疹」、「アナフィラキシーショック」、「呼吸困難」である。頻度はもっとも多く、0.5 - 2% 蕁麻疹、かゆみ、発熱はいずれも抗原・抗体反応を基盤としておこると考えられている。 また、血圧低下は40%が輸血開始後10分以内に起き、30分以内では76%を占める。 移植片対宿主病 (graft versus host disease: GVHD) :受血者血液中で残存した供血者リンパ球が受血者組織を攻撃しておこす病態、血液製剤の放射線照射で防止できる 同種感作:血液製剤中の白血球がもつHLAなどにより抗体ができる。血小板輸血不応などの原因になる。現在血小板製剤は白血球が1バッグ当たり10の6乗以下となっているが、患者が経産婦や輸血経験者の場合ではこの程度の除去では防止することができない。 鉄過剰症:骨髄異形成症候群・再生不良性貧血といった難治性貧血の治療で輸血を受け鉄が過剰に体に取り込まれることによって発症する。 高カリウム血症:溶血した血球からカリウムが漏れ出すことにより起きる。 クエン酸中毒:抗凝固薬として添加されているクエン酸により、低カルシウム血症、代謝性アシドーシスを起こす。 濃厚赤血球液を1日10単位以上輸注すると相対的に血小板や凝固因子が低下し、凝固障害を起こす。 輸血関連急性肺傷害(Transfusion-related acute lung injury: TRALI、トラリ):おそらくは白血球抗体による反応のために急性の呼吸困難をおこす病態。
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