需給予測の精度問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 08:16 UTC 版)
「東日本大震災による電力危機」の記事における「需給予測の精度問題」の解説
節電要請は、企業活動や家庭生活に経済面も含めて負担を与え、特に契約電力500kW以上の大口需要家に対して強制力のある電気使用制限等規則(電力使用制限令)の根拠にもなる事から、信頼できる予測値を算出することが求められていた。 東京電力管内では、夏季に電力使用制限令を伴う節電要請を行っていたが、「需給逼迫警報」を出す事態には至らず、東北電力に一部の電力を融通する状態であった。これは節電による需要抑制、夏の最高気温が需給予測のベースとしていた2010年よりも低かったことなどが影響している。これに対し、節電要請を行う必要は無かったのではないかという意見も挙げられた。2012年春の段階でも、同様に関西電力管内において2012年夏季の需給予測が厳しいことが報じられた事から、この数字の信頼性を問う声が上がった。 需給予測は、それぞれの電力会社が提出した数字を経済産業省(主に資源エネルギー庁)で検討したあと閣僚で構成する「電力需給緊急対策本部(後に「電力需給に関する検討会合」)」「エネルギー・環境会議」で諮問するというのが従来の流れであったが、2012年4月より第三者である専門家9名で構成する政府の「需給検証委員会」でさらに検討を行うこととされている。 需要想定における「予備率」として、瞬間的な需要変動への対応に3%、発電所のトラブル等による停止(電源脱落)や気温上昇への対応に4-5%以上、合計で7-8%以上を織り込んで需給予測を行っているが、この妥当性を見直す動きがある。 また原子力発電の停止に絡んで、「原発が運転していなくても電力は足りる」という主張がある一方で、電力各社や政府をはじめ「原発が運転しなければ電力が不足する」「火力による代替は負担やリスクが大きい」という主張があり、対立が発生している。
※この「需給予測の精度問題」の解説は、「東日本大震災による電力危機」の解説の一部です。
「需給予測の精度問題」を含む「東日本大震災による電力危機」の記事については、「東日本大震災による電力危機」の概要を参照ください。
- 需給予測の精度問題のページへのリンク