電子回路におけるリセットとは? わかりやすく解説

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電子回路におけるリセット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/28 14:24 UTC 版)

「リセット」記事における「電子回路におけるリセット」の解説

電子回路一般化し考えると、いくつかの入力信号線に応じた出力信号生成する装置ということができる。以前入力態と比較出力状態を決定する場合には、回路内部状態を保持する部分なければならないデジタル回路においては状態を保持する回路レジスタ呼ばれる模式的に考えると、デジタル電子回路とは「外部入力信号内部状態レジスタ出力組み合わせ回路与えて次の内部状態を作り出すレジスタ変化させる)もの」であると考えることができる。 リセットという動作は、この内部状態レジスタ強制的に初期状態に戻すことである。レジスタ構成する単位要素フリップフロップ呼ばれ、1個のフリップフロップは1bitの情報(0か1か)を保持することができるが、リセットはこれを強制的に以前の状態に関係なく)0または1の決まった状態にしてしまう操作にあたる。 電子回路複雑化し、要素部品の数が莫大なものになった場合、全内部状態を同時に確実にリセットできるようにすることは、回路設計上重要な点となってくる。特に電源投入直後回路安定して動作させるためにはいくつかの工夫が必要となる。人間の目には一瞬電気回路内に行き渡っているように見えても、実際に電源電圧規定値に達するまでには時間かかっている。この間電源信号伝え配線長さごくわずかの差や、部品個体差などにより、部品によってリセット動作が起こるタイミング一致しないということが起こる。ある部品すばやくリセット動作終え次の状態に遷移するために入力信号取り込み始めたのに、その入力信号生成している他の部品リセット動作完了していないと、全体としていい加減な入力信号処理してでたらめな出力をする回路になってしまうのであるCPUなどの高度な電子回路場合水晶振動子などによって生成した一定周期信号クロック信号)の変化合わせて回路全体内部状態を一斉に変更してゆく同期回路として設計されるが、この場合リセット信号もこのクロック信号変化タイミング考慮して制御されなければならない部品データシートには、「クロック信号安定してから○○クロック経過するまでの間はリセット信号をONにしておくこと」などのようにリセット仕方について指示記載されている。 これらに対応するために、リセット信号は他の信号線よりも(電源線よりも)一番早くONになり、電源など他の部分信号安定し全部品が確実にリセット動作終えるまで待ってからOFFになるように設計される一般には、抵抗コンデンサ用いてこれを実現するが、回路がより複雑になってくると高度なリセット制御回路組み込んだリセット専用IC用いることもある。 回路動作高速になってくると、動作時間がかかる一部部品リセット完了待ってから他の高速部品動作開始させるのが非効率になることがある。この場合動作の遅い部品出力影響を受ける部分受けない部分をきちんと切り分け回路設計することにより、短時間リセットをする部分長時間をかけてリセットする部分分離して2種類リセット信号使い分けるということが行なわれる動作を完全に初期状態に戻すのではなく内部状態を指定した値にしてから処理を開始させることを、「プリセット (preset)」と呼ぶ。フリップフロップにおいては、状態を0にすることをリセット、1にすることをプリセットと呼ぶこともある。

※この「電子回路におけるリセット」の解説は、「リセット」の解説の一部です。
「電子回路におけるリセット」を含む「リセット」の記事については、「リセット」の概要を参照ください。

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