雌伏の10年と監督復帰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 19:25 UTC 版)
1980年代後半から1990年代前半にかけてはサンライズ系の『ガンヘッド』『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』や、押井守監督作の『機動警察パトレイバー』(劇場版I・II)『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』などでメカデザインを手がける。 一方、演出家としてはオリジナル企画を立てるがものにできない時期が続く。未発表作はスタジオぬえの「機甲天使ガブリエル」、模型企画「アドバンスト・バルキリー」、「空中騎行戦記」(エスカフローネの原案)など。企画が通らない場合もあれば、シナリオまで進めても自信が持てず止めてしまう場合もあった。1989年には河森原作・脚本・監督、美樹本キャラデザイン、サンライズ制作によるアニメ映画『舞夢』のパイロットフィルムがアニメ誌上で紹介されたが、演出上の行き詰まりから製作中止となった。この挫折から一時期は仕事を中断していたが、1991年に結婚。美樹本はこの結婚が河森の転機になったと語っている。 1994年、『マクロスプラス』で10年ぶりに監督業に本格復帰する。同年、初期マクロスからのテーマでありライフワークでもある「音楽の秘める可能性」を自ら世界を旅行して感受したカルチャーショックの体験などを踏まえて描ききった『マクロス7』を完成させ、業界内外から多くの支持を得た。 『天空のエスカフローネ』(原作)以降は神話伝承世界に着目し、宮沢賢治の半生を描いた『イーハトーブ幻想〜KENjIの春』でメカアニメ以外の新境地を開く。
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