障害への対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 15:57 UTC 版)
「バックアップ」および「ミラーリング」も参照 現在一般に出回っている電子記録媒体は全て消耗品であり、いつか必ず物理障害が発生するものである。また、いつでも簡単にデータの書き換えが可能な記録媒体は、論理障害の問題が常に付きまとう。発生した障害の内容や度合いにも左右されるが、どのような手法を使ったとしても、たとえデータ復旧業者に復旧を依頼したとしても、障害が発生し正常にデータを読み出せなくなった記録媒体からデータを確実に無傷で救出できる保証はない。電子記録媒体によってはデータ救出そのものが確立されていないタイプもある。すなわち、重要なデータを失わないためには、ユーザー自身がバックアップを行うことが一番有効な対策である。物理障害に限ればミラーリング(RAID)で対策を行うこともできる。 パソコン用記録媒体およびシステムドライブとしてよく使用されるハードディスクドライブは、論理障害・物理障害共に発生しやすい記録媒体である。そのためハードディスクドライブに発生した障害が原因でデータを失う結果になりやすい。近年では、ハードディスクドライブと比べて耐久性に優れ小型化にも適したソリッドステートドライブ(SSD)もノートパソコン用を中心に普及しているが、書き込みや消去などの内部動作を行うほど製品寿命を低下させるリスクもある。 デジタル化が進む今日では、個人は思い出の写真をデジタルカメラで、企業は顧客・決算データ等をデータベースで管理している。ハードディスクドライブやソリッドステートドライブが普及し、技術革新により記憶容量も大幅に増大してきた昨今だが、それに伴い失いたくない重要データのバックアップを取らずに使用し続け、障害が発生しデータを失う個人・企業が増加していった。こうした障害の発生したハードディスクドライブなどからの重要データの復旧を業務とする、データ復旧業者が1990年代前半よりアメリカ合衆国で登場。1990年代後半には日本でも登場した。ただし、高度な設備を整え物理障害にも対応するようなデータ復旧専門の業者へデータ復旧の依頼をする場合、高額な復旧費用が発生する。また、SSDでは現時点においてデータ復旧の技術は発展途上にあり、破損した場合のデータ救出は困難である。ハードディスクドライブとSSDを用途によって使い分けたり、面倒でもバックアップをとることが、データ保全およびコストの圧縮に繋がる。
※この「障害への対策」の解説は、「データ障害」の解説の一部です。
「障害への対策」を含む「データ障害」の記事については、「データ障害」の概要を参照ください。
- 障害への対策のページへのリンク