愛好家向けCNC工作機械
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 13:55 UTC 版)
「コンピュータ数値制御」の記事における「愛好家向けCNC工作機械」の解説
近年では小型のCNCが開発されている。これは特にアメリカ国立標準技術研究所 (NIST) のEMC (LinuxCNC(英語版)) プロジェクトの寄与するところが大きい。EMCはLinux上で動作するパブリックドメインのソフトウェアであり、パーソナルコンピュータ上でも使える。NISTのプロジェクト終了後もEMC2を中心として開発が継続されており、GPLおよびLGPLでライセンスされている。元々のEMCソフトウェアをベースとして商用のPC向けソフトウェアも販売され、DIY的CNCの開発に使用してオープンソースハードウェア設計を使った趣味のCNC工作機械の自作が行われている。同じ基本アーキテクチャを使い、Sherline や Taig といった企業が小型軽量のCNC工作機械を発売してきた。PCを使用したCNCにはTurboCNCやKCam、Mach3、Mach4等がある。これらを産業用ではない通常の電波障害や誘導障害への対策が十分ではないPCでCNC装置として使用する場合にはアーク溶接や放電加工機等からの高周波雑音によって誤作動する可能性があるので使用時には注意が必要である。 1996年12月にローランド ディー. ジー.から3DプロッタMODELA model MDX-3が発売され、1997年に3DスキャナーのPICZA (ピクザ) model PIX-3が発売されたことにより、数値制御工作機械での加工、3Dデータの座標入力の敷居が大幅に下がった事で一部の愛好家の間で部品類の製造に用いられ、モデルグラフィックスやモデル・カーズの誌面でも取り上げられた。 二足歩行ロボットの製作がブームになるのと相前後して、既存のフライス盤、旋盤を改造してCNC制御をおこなう試みが流行し、インターネット上で様々な情報が発信されるようになった。フリーあるいは廉価なPC用のCNCソフトウェアとサーボモーター及び制御基板等を既存の工作機械に取り付けることでCNC化をおこなうものであり、加工範囲や能力は限られるものの極めて廉価でCNC工作機械を調達することが可能になったことから、ロボット製作者や工作少年等を中心としたブームとなっている。
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