開発~発表
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初代機のX68000は、発売前年の昭和61年(1986年)に発表された。開発は、パソコンテレビ、X1シリーズを開発した、シャープ栃木のテレビ事業部。ソフトウェア・ハードウェア共にX1シリーズとの互換性は一部の周辺機器を除いてないが、実質上の後継機種である。MZシリーズをリリースし、後のMebiusブランドパソコンの元となった大和郡山市の産業機器事業部は関わっていない。 初めて発表されたのは、昭和61年(1986年)10月2日 - 7日に開催されたエレクトロニクスショー'86(後のCEATEC JAPAN)。シャープブースの一角に展示され、デジタイズされた女性歌手荻野目洋子の65,536色画像と「グラデュース自走」と銘打たれた『グラディウス』の実動画面、そして画面切替によるチェス盤の上をあらかじめレイトレーシングされた玉が跳ねるといったデモンストレーションが行われた。展示画面には「新開発 16ビット パーソナルワークステーション X68000」と書かれた絵文字と南国をイメージした背景が表示されていた。 コンパニオンによるデモンストレーションは、「このパソコン、何と喋るんです」のナレーションに答えてX68000が「早く紹介して下さいよ」とADPCMで発声するもので、その後ハードウェアの特徴と構成が紹介されるというものだった。後述の「マンハッタンシェイプ」はこの時点で名称が確定しており、デモンストレーションでも紹介された。 当時、日本で68000系を採用したパーソナルコンピューターはほとんど前例がなく、業務用のEWSと誤解した人も多かったため、会場ではそれほど大きな注目は集めなかった。MC68000採用の理由は、メモリ空間が16MBと大きいことと、「OSがのっかりやすい」ことだった。当時、日本の電機メーカーの間で68000系MPUを採用する独自のEWSを開発・発売するのが一つの流行になっていた背景もあった。 その後、『Oh!MZ』誌を始め、各パソコン雑誌にて取り上げられた事により認知が高まり、次いでシャープ市ヶ谷のエルムホールにて九十九電機と協賛したお披露目が行われた(全国各地で行われたという説もあるが、詳細は不明)。内容はラヴェルのボレロをFM音源で再生しつつ、デジタイズされた画面を次々とX1シリーズ用のHDDユニットより読み込んで表示させるというものだった。また、『グラディウス』のデモについてはビックバイパーだけがカーソルキーの操作に合わせて可動し画面内を飛んでいるというものに変わった。
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