開放周流形水車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/10 14:49 UTC 版)
所謂“普通の水車”である。→水車も参照。水力発電では従来、ケーシングを持ち、高速回転する水車が使用されてきた。しかし、低速回転でも有効な電圧を確保できる発電機の登場や、ギアボックスの併用により、10rpm未満の開放形水車をミニ水力、マイクロ水力用の水車として見直す動きが出てきた。エネルギーの変換効率という点ではケーシング式の水車に劣る反面、流水中の異物が溜まりにくく、また整備・清掃の際に大規模な分解を必要としない為メンテナンスコストが安い。下掛け式であれば有効落差はほぼ0mでも流量が期待できれば使用可能である。また、ある程度落差がある場合は上掛け式とすることで効率が向上する。海外では早いうちから注目され、大型上掛け式水車による小水力級の水力発電も試みられてきたが、日本では開放形水車を産業革命以前の技術と捉える向きがあり、再評価が遅れた。2005年、都留市が、河川そのものの流れを利用する下掛け式水車を使用したマイクロ水力の実用試験と、同市の光熱費の低減を目的として、家中川小水力市民発電所「元気くん1号」(20kW)を同市庁舎前を流れる家中川に設置した。
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