鎌倉時代から安土桃山時代まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/22 20:07 UTC 版)
「往来物」の記事における「鎌倉時代から安土桃山時代まで」の解説
鎌倉時代には毎月2通分の往復書簡で季節感や行事を織り込んだ『十二月往来』が著され、後世の往来物の手本となった。その後室町時代前期にかけて『貴嶺問答』・『雑筆往来』、そして中世往来物の代表作とされる『庭訓往来』が現れた。当時の武家社会の実情に即してかつ簡明ながらも生活に必要な実用的知識を網羅的に収録したこの本は江戸時代まで往来物の定番とされた。続いて物語的色彩の強い『富士野往来』や類聚形式の『尺素往来』などが出された。この時代までの往来物は公家や僧侶などの知識人によって書かれることが多く、こうした江戸時代以前の作品をまとめて「古往来(こおうらい)」と呼ぶ。 古往来は現存するもので約40余りを数えるが、以下の5種類に分類することができる。 『明衡往来』に代表される実際に用いられる形式の書簡を無造作に集めたもの。 『十二月往来』に代表される1年12ヶ月の月単位に配列して書簡の文例を示したもの。 『雑筆往来』に代表される書簡に用いられる語句・単文を列挙したもの。 『庭訓往来』に代表される書簡形式を採った単語集・知識集で、書簡の形式とともに必要な知識を身に付けさせることを目指したもの。 『富士野往来』に代表される書簡のみならず公文書などの他の文書の文例を織り交ぜたもの。
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