銅・ニッケル合金の硬貨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/04 07:06 UTC 版)
「25セント硬貨 (アメリカ合衆国)」の記事における「銅・ニッケル合金の硬貨」の解説
銅とニッケルの合金で造られたワシントン・クォーターの製造は1965年に開始された。この使用する金属が変更されるにあたり、デンバーとサンフランシスコの造幣局では、1965年〜1967年に製造した硬貨にミントマークが刻まれていない。銀からこの合金へ変更されたのは、本質的な銀の価値が銀を含む硬貨の額面価値を超えてしまい、利益のために硬貨を溶かして銀を利用されたため、連邦政府が硬貨にかかるコストを抑えたことが理由である。合金を使用するようになった最初の3年間は、サンフランシスコの造幣局で「スペシャル・ミント・セット」として、プルーフ硬貨の代わりに見本セット(スペシメン・セット)が販売された。この中の一部の種類(Deep Cameo)などはその希少性から、高額の値段が付けられている。 現時点でこの銅とニッケルの合金で製造された硬貨も銀貨と同じく高値がつけられたものがあり、その中でも一部の硬貨や特定の年に製造されたものが特に際立つ。1965年〜1971年および1981年(タイプ2)の製造で、「Deep Cameo」と呼ばれる種類のプルーフ硬貨は高く評価されている。これはその数が少ないことの他、1981年〜1986年製造の硬貨など1980年代の硬貨は、流通量が多いため状態の良いクォーター硬貨も少ないこと、更に1982年と1983年度は硬貨セットが製造されておらず未使用(mint state)の状態の硬貨があまり見つからないことや、1981年から1994年に製造された硬貨でMS67(完全未使用クラス)のグレードがつけられているものは、およそ1,000ドル以上の高値が付けられていることが挙げられる。 製造された場所を表すミントマークは、表側の右下「IN GOD WE TRUST」の標語の下に刻印されている。1965年から1967年まで、白銅の硬貨にはこのミントマークがつけられていなかった。1968年から1979年に製造されたクォーター硬貨には、デンバーなら「D」、サンフランシスコなら「S」、そしてフィラデルフィアで造られた場合であればマークが描かれていない。1980年より現在まで製造されている25セント硬貨は、「D」がデンバー、プルーフ硬貨のみ「S」がサンフランシスコ、そして「P」がフィラデルフィアの造幣局で製造されたことを意味する。このフィラデルフィア造幣局は、1980年の1セント硬貨以外は全ての硬貨にその「P」のミントマークを刻むことが許されている。
※この「銅・ニッケル合金の硬貨」の解説は、「25セント硬貨 (アメリカ合衆国)」の解説の一部です。
「銅・ニッケル合金の硬貨」を含む「25セント硬貨 (アメリカ合衆国)」の記事については、「25セント硬貨 (アメリカ合衆国)」の概要を参照ください。
- 銅・ニッケル合金の硬貨のページへのリンク