てつけい‐ちょうでんどうたい〔‐テウデンダウタイ〕【鉄系超伝導体】
鉄系超伝導体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 09:47 UTC 版)
詳細は「鉄系超伝導物質」を参照 結晶構造としてはFe(鉄)イオンが正方格子を形成しており、Feの3d軌道がフェルミ面を構成する。Fe同士は金属結合になっていると考えられ、ヒ素などのプニコゲン元素がFeと強い共有結合を作り、構造を安定化させている。このため、電子のドープを行なうと反強磁性スピン配列が消え、超伝導転移温度が高くなるという解釈もできる。 LnFeAsO1-XFXの母物質の一つであるLaFeAsOの測定では、160K(約マイナス110℃)付近で正方晶から斜方晶への転移が起きることがわかっている。この付近の温度では比熱のピークも見られ、La(ランタン)のスピン格子緩和時間が発散してスピン配列が生じている。Feのスピン配列はFeAs平面内でa軸とb軸の長さが等しいが、160K以下では両者の長さに差が生じ、反強磁性的な整列状態になる。これらの結果より、140Kがネール温度に相当すると見られる。
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