SFTSウィルス
別名:SFTSウイルス、重症熱性血小板減少症候群ウィルス、重症熱性血小板減少症候群ウイルス
英語:SFTS virus、SFTSV、Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome Virus
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の病原となるウィルス。マダニが媒介することが知られている。2009年に、SFTSが中国各地で報告されたことを契機として研究が進められ、2011年にその病原体として初めて報告された。
SFTSは発熱や消化器症状を主症状とする、時に致命的な感染症である。中国の症例では、致命率は6%程度とされている。日本では九州から近畿地方にかけての地域で、2014年2月までに52人がSFTSに感染し、うち21人が死亡したとされる。2014年2月現在、兵庫県より東でのSFTSの感染例はないが、国立感染症研究所の調査によると、東北地方や関東地方のマダニからもSFTSウィルスが検出されている。
2014年2月現在、SFTSウィルスに対する有効な抗ウィルス薬やワクチンは開発されておらず、SFTSの治療法は対症療法が主となっている。そのため、SFTSウィルスの感染を防ぐためには、マダニに咬まれることを防ぐことが最重要とされている。
厚生労働省は具体的手段として、草むらや藪などに立ち入る際に、肌の露出をできるだけ少なくすること、忌避剤を使用すること、野外活動後にダニに咬まれていないかを速やかに確認することなどを挙げている。また、マダニが付着した犬や猫などのペットから感染する可能性もあることから、予防や駆除が必要とされている。
厚生労働省は忌避剤、抗ウィルス薬、ワクチンの開発を推進しており、2013年6月には、マダニ防除効果のある薬剤などの審査を特に迅速に行う方針を発表した。また、日本予防医学協会は、2014年2月にSFTSへの注意を呼びかけるシンポジウムを開催するなど、啓蒙普及活動を行っている。
関連サイト:
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A - 厚生労働省
マダニの防除を標榜する殺虫剤の取扱いについて - 滋賀県薬業協会
Fever with Thrombocytopenia Associated with a Novel Bunyavirus in China - The New England Journal of Medicine
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