重大性による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/15 03:13 UTC 版)
重罪に対しては、1年以上の拘禁刑が科されるか、または謀殺罪のような最も重大な重罪の場合には死刑が科される。実は、イギリスとアメリカの法体系が1776年に分離した当時のコモン・ローにおいては、重罪とは、犯罪のうちその刑罰を死刑または財産の没収のいずれかとするもののことであった。全ての重罪はなお重大な犯罪であると考えられていたが、比例性(すなわち、犯罪に応じた刑罰でなければならないというもの)への懸念から、近代においては、立法により、より短期の拘禁刑から、被告人が保護観察を無事終えることを条件とする実刑判決の代替または果ては収監の全ての猶予にまで渡る、より軽い刑罰が、求められ、または許容されるようになった。犯罪の重大性を測る基準としては、ある犯罪がその被害者または社会一般に与えた影響を定量的に評価し比較する試みもある。 州によっては、全てまたは多くの重罪は、その犯罪の重大性および有罪判決によって科され得る刑罰に従って、種々の等級のうちの1つに位置づけられる。犯罪の等級の数およびそれに該当する犯罪は州によって異なっており、これを決定するのは州議会である。通常は、州議会は重罪の各等級に対して許容される刑罰の上限も決定する。これにより、あらゆる可能性のある犯罪に対して特定の処罰を定めずに済むこととなる。例えば、 ヴァージニア州においては、多くの重罪が数字によって分類され、第六級(1年から5年の拘禁または12ヶ月までの拘留)から、第二級(20年から終身刑。例えば、第1級謀殺罪(first-degree murder)や加重故意傷害罪(aggravated malicious wounding))を経て、第一級(終身刑または死刑。一定の類型の謀殺罪。)に至る。重罪の中には、依然としてこの分類体系に含まれないものも存在する。 ニューヨーク州においては、重罪は文字によって分類され、一部の等級はされにローマ数字によって下位分類がなされる。等級は、E級(最も軽い重罪を含む。)から、D級、C級、B級およびA-Ⅱ級を経て、A-Ⅰ級(最も重いものを含む。)に至る。
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