都立図書館の再編
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1976年(昭和51年)に開館した都立江東図書館は、区立と同等の第一線図書館として奉仕する変則的な位置づけにあったが、多摩図書館開館に先立つ1986年(昭和61年)に江東区に移管され、江東区立江東図書館となった。1987年(昭和62年)には都立八王子・立川・青梅図書館を統合して東京都立多摩図書館が開設され、この時点で都立図書館は日比谷・中央・多摩の3館体制となった。1990年代に入ると、『新日比谷図書館基本構想』(1997年(平成9年))において日比谷図書館の建て替えが計画されたものの実現せず、行財政の効率化が求められる中で都立図書館のあり方があらためて見直されることとなった。2002年(平成14年)の『今後の都立図書館のあり方~社会経済の変化に対応した新たな都民サービスの向上を目指して~』は都立図書館の将来像を示したものであり、都立図書館が果たすべき役割として高度・専門的なレファレンスサービス、インターネット等を活用した電子情報サービス、司書教諭へのレファレンス指導等を通じた学校教育への支援、政策立案の支援と都政情報の提供などが規定され、区市町村立図書館の活動を支援する第二線図書館として活動することを明確化した。資料購入予算が限られ書庫の収蔵数が限界に近づく中で、中央・多摩両館の機能分担を再構築し、両者で重複する資料の収集・保存は行わず、都立3館は中央図書館のもとで統括される体制へ移行することが示された。条例上並置とされていた日比谷図書館と中央図書館の関係が規定しなおされたのである。また、同年には中央図書館・多摩図書館の入館年齢制限(中央は16歳以上、多摩は13歳以上)が撤廃されている。2005年(平成17年)の『都立図書館改革の基本的方向』ではさらに踏み込んだ内容となり、区立図書館と機能が重複する日比谷図書館の千代田区への移管が示された。2008年(平成20年)に東京都教育委員会と千代田区教育委員会との間で合意が成立し、2009年(平成21年)に日比谷図書館は千代田区へと移管され、都立図書館は現行の2館体制となった。2017年(平成29年)1月に、多摩図書館は立川市から国分寺市へ移転した。
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