遺言の作成における諸問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 21:22 UTC 版)
自書自筆証書遺言については全文の自書が必要である(968条1項)。 過去の判例ではカーボン複写による自筆の遺言も有効とされている。 なお、2018年相続法改正により自筆証書遺言に付属させる財産目録に限ってパソコンなど自筆以外で作成することができるよう緩和されている(複数ページに及ぶときはすべてのページに署名押印が必要)。 日付普通方式遺言では日付が有効要件とされている(968条1項・970条1項)。 遺言の日付は「平成15年吉日」などの年月日が特定できないものは無効だが、「還暦の誕生日」、「65歳の誕生日」、「平成15年大晦日」など、年月日が特定できるものなら有効である。しかし、できる限り混乱防止のために普通に年月日を記載するほうが望ましい。 特別方式遺言において日付の記載は遺言の有効要件とはされず、日付が正確さを欠いていても特別方式遺言は無効にはならない。 氏名遺言者が通常使用している通名等でも、遺言書を書いた者が特定できる場合は有効。 押印拇印でよいとする判例がある。 いわゆる花押を書くことは、民法968条1項の押印の要件を満たさない。 封印秘密証書遺言については封緘と封印が必要(970条1項2号)。 遺言に封印のある場合は家庭裁判所に提出して検認を受けるときに、相続人(もしくはその代理人)の立ち会いがなければ開封できない(1004条3項)。ちなみに検認を経なくても遺言は当然には無効とはならないが、過料の制裁を受ける可能性がある(1005条)。 相続人の欠格事由遺言に関し次の者は、相続人の欠格事由になる(891条)。 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
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