遺伝子型耐性検査
【概要】 抗HIV薬の標的となる酵素の遺伝子のならびを読み取って、有効なHIVとの違いを比較すれば、データの蓄積から薬剤耐性を予測できるようになる。例えば逆転写酵素領域の41番と215番のアミノ酸に変異が同時に起こると、酵素の形が変わってAZTの阻止濃度が100倍以上高くなることがわかっている。このように培養、あるいは患者の観察で認められた耐性に対して、遺伝子変化で薬剤耐性を推定しようと言う考え方が遺伝子型耐性検査である。
【詳しく】 遺伝子型検査の利点は、(1)自動的な解析装置が使える、(2)人や時が変わっても同じ結果が得られやすい、(3)結果が比較的早く分かる、(4)検体量が少なくて済む、(5)検体の運搬や保存が容易などの普及しやすいなど、大手の検査会社で受注に適した性質がある。一方、欠点としては、(1)装置や経費が高価である、(2)変化の有無が報告されるので、どの程度耐性なのかはわからない、(3)複数の変化で薬剤耐性が解消されてしまう可能性がある、(4)結果の解釈が難しく、細かな所は専門家の合意が毎年変化している。 医療機関からの耐性検査依頼は、国立感染症研究所村山分室エイズ研究センター第2研究グループ杉浦 亙室長(:Tel 042-561-0771)で受け付けている。 スタンフォード大学の「薬剤耐性データベース」が利用しやすい。

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