表現型耐性検査
【概要】 HIVの薬物耐性検査では検体からウイルスを培養し、その培養液中に様々な濃度の抗HIV薬を加え、どの濃度まで上げたら増殖を抑制できるかということで判定する。野生型のウイルスの抑制濃度に対し、何倍も高濃度が必要な場合(fold change)、耐性が考えられる。
【詳しく】 薬物がない条件の増え方を100として、50まで抑える薬の濃度を50%抑制濃度、すなわちIC50は**ng/mLというように表現する。試験管内では1000ng/mLで抑えられても、体内で薬がその濃度にならなければ、それは耐性である。表現型耐性検査の解釈はやさしいが、(1)高度な技術と特殊な施設が必要、(2)同じ実験を他の人がやって同じ結果が得にくい、(3)検体量が多く必要、(4)時間がかかる、(5)経費がかかる、などが問題で、HIVの場合どこでもできるわけではない。ベルギーのVirco社は800ドル、アメリカのViroLogic社は900ドルで検査を請け負っている。今後の抗HIV薬の治験評価に使用される可能性があるが、まだ保険はカバーしていない。

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