メジャー変異
【概要】 抗HIV薬を使用して最初に発現する変異で、使用された薬剤に特異的なものが多い。酵素の構造が変わり薬剤と酵素の結合が起こりにくくなるためにウイルス増殖の抑制が損なわれる。プロテアーゼの場合、30, 48, 50, 82, 84, 90番目のアミノ酸に変異が起こったものを主要変異と言う。90番以外はすべてプロテアーゼの構造で活性中心の変異である。1カ所の変異だけで全く効かなくなるわけではない。
【詳しく】 D30Nはネルフィナビルに、I47Aはロピナビルに、G48VMはサキナビルに、I50Vはアンプレナビルに、I50Lはアタザナビルに特異的なメジャー変異であるが、他のプロテアーゼ阻害剤には感受性がある。構造が変化した酵素は酵素としての性能も悪くなり、増殖能が低下することが多い。これをフィットネスの低下と言う。

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