ミトコンドリア障害の症状
【概要】 ミトコンドリア障害は核酸系逆転写酵素阻害剤ごとにやられやすい臓器の細胞があり、症状も違う。アジドチミジンは骨髄障害・筋肉障害・心筋障害を起こす。スタブジンとザルシタビンとジダノシンは神経障害を起こす。スタブジンの神経障害は麻痺が上行性に進行してギランバレー症候群に似る。ジダノシンとラミブジンは膵炎を起こす。スタブジンは脂肪肝を起こす。これらはいずれも、それぞれの臓器でのミトコンドリア障害である。
【詳しく】 筋肉や肝臓細胞では糖代謝の途中で発生する乳酸を処理することができなくなる。血中に蓄積して高乳酸血症、乳酸アシドーシスを起こすことがある。ミトコンドリアの中のDNAが少なくなれば、解糖系酵素の産生量も減っており、DNA量から回復するためには、かなり時間がかかる。原因薬剤が中止されても、神経系の障害、心筋障害、高乳酸血症などが回復するにはいずれも月の単位がかかる。
《参照》 核酸系逆転写酵素阻害剤、 乳酸アシドーシス

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