適正とされる値
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/16 08:49 UTC 版)
株価収益率の標準値は14から20の間 (≒益回り5 - 7%)が適正とされるが当該企業の成長性に楽観的な場合(成長株)は高PERまで買われ(利益の高成長が見込める場合、現行では高いPERも数年後には低い水準になることがある)、将来に不透明感が高い場合は低PERで取引される。また石油や鉄鋼、海運など国際商品市況に業績が大きく影響をうける業種は過渡的な経緯や国際的な落ち着き所としてセクター全体が低PERで取引されていることがある。不動産に対する投資収益率(不動産価格/年間賃料)が構造的に20近辺であり(地価の変動と賃料相場が連動する特性があることから)、証券市場全体の株価収益率が20を越えて買い上げられている場合は株価バブルを警戒する必要がある(個別銘柄では前述のように将来性を期待して買い進められたり、また(予想)純利益が下方修正されることで高PERとなることがある)。 ニューヨーク証券取引所では伝統的に14 - 20程度をコアとした株価収益率の推移を示してきたが、日本ではバブル景気崩壊後に株式の相互持合いが解消される1990年代頃までは40~60内外の相当割高な株価で推移してきた。また新興市場では成長性を期待した取引が中心となることから、NASDAQでは60 - 80程度 (≒益回り1.25 - 1.7%)をコアとした株価収益率の推移が見られる。市場間、あるいは投資対象(企業・債券・不動産・商品先物等)間での投資収益率の大幅な違いは価格変動の大きな波乱要素であり投資対象、たとえば企業収益などへの期待が正・負いずれかの方向に大きく裏切られることなどをきっかけに急激な相場変動や市場の混乱をもたらす要因となる。
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