適正な周波数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 03:56 UTC 版)
事故を防ぐため、設置地域の商用電源周波数に合った蛍光灯器具・安定器を使用する。 蛍光灯は点灯に際し安定器が必要であるが、適合電源周波数で使用しないとさまざまな問題が生じる。施設照明器具の市場の大半を占めるパナソニック(旧:パナソニック電工、松下電工)と東芝ライテックでは、周波数区分が容易に判るように、器具型番のシールと電線色を分けている。 50 Hz用 - シールのメーカーマーク色・型番印刷が緑で、電線色が黒 - 白 60 Hz用 - マーク色が赤で、電線色が茶 - 白 兼用器具 - マークが青または黒で、電線色が黒 - 白 建築基準法による非常灯は、周波数区分にかかわらず赤である。 50 Hz用の安定器を60 Hzで使用チョーク形・漏れ変圧器形低力率の場合 ランプの明るさはわずかに暗くなり。また点灯しづらくなる。写真フィルム観賞用ライトボックスなどは、50 Hz安定器のみで50–60 Hz共用としている例もあることから、特にワット数が低い(8 W以下)ものは60 Hz設置地域で使用可能な場合がある。 フリッカレス形進相回路・2灯直列進相形高力率の場合 大きなランプ電流が流れ安定器が過熱する。最悪の場合、焼損・発火する危険性がある。ラピッドスタート形の場合波形のバランスが崩れ点灯しにくくなる場合がある。 60 Hz用の安定器を50 Hzで使用チョーク形・漏れ変圧器形低力率の場合 安定器のリアクタンスが減少するため、ランプ電流が増加しわずかにランプは明るくなる。ただし安定器内部のコイルを流れる電流も増加し、安定器自体が過熱する。そのまま使用を続けると最悪の場合、焼損・発火する危険性がある。 フリッカレス形進相回路・2灯直列進相形高力率の場合 ランプの明るさは暗くなる。また点灯しづらくなる。ちらつきを生じる場合もある。 これは、安定器内部のコイルは周波数の高い交流ほど流しにくくなり、逆にコンデンサは周波数が高いほど交流を流しやすくなるためである。このため、一般の安定器を使用する器具を周波数の違う地域で使用する場合、安定器を交換しなければならない。ただしインバータ式安定器は日本国内であればどこでも使用できる。 子供用学習机に付帯される蛍光灯照明は「チラツキが少なく目に優しい」としてインバータ式の普及が急速に進んだため、現在では見かけることはまずないが、スタータ式の照明の時代には周波数切り替えスイッチが取り付けられているものが多く、これを切り替えることにより周波数の異なる地域でもそのまま使用できた。
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