遊牧民社会とは? わかりやすく解説

遊牧民社会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/11 04:03 UTC 版)

末子相続」の記事における「遊牧民社会」の解説

遊牧民社会では、子は成人すると親から家畜群や隷属民など一定の財産分与されて独立するが、末子最後まで親許から独立せず、親が死ぬと親の手許に残った財産そのまま相続することから、末子相続生じる。先に独立する子が分与される財産は親の財産ごく一部である場合多く結果的に末子が親の財産大部分相続することになる。 このような独立していく子に親の財産分与することから、財産家畜)の分割容易な遊牧民見られる相続形態である。 ただし、家督相続財産相続とは別に考えられるような部分があり、家督継承実力によるところが大きく財産相続末子有利という傾向あったようである。 成人独立していない子が親許何人残っているうちに親が死んだ場合末子ではなく当該成人していない子供たちのうちの最年長者が親の財産相続するというケースもある。しかし、その場合でも末子将来的母親財産相続するなどそれなりに重んじられる風潮があった。 モンゴル人の間では親の遺産相続する末子を「火の王子(炉の番人とも)」を意味する"オッチギン"と呼んだ神聖な家の炉の火を守り継承する者だからである。チンギス・ハーンの末の嫡出弟であるテムゲ・オッチギン著名である。 末子相続のもう1つ考え方として、略奪した女性との婚姻妻妾相続なされる社会において、第1子女性以前夫の子供である可能性第2子以降比べて高いため、あえて長子相続者にしない、というものである長子相続かつ一夫多妻制社会では、老いてから迎えた若い妻との幼子家長偏愛することによって、しばしば相続争いが起こる。いっぽう末子相続相続時点での家長意向沿うことになりやすいため、長子相続におけるような紛争起こりにくい。

※この「遊牧民社会」の解説は、「末子相続」の解説の一部です。
「遊牧民社会」を含む「末子相続」の記事については、「末子相続」の概要を参照ください。

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