逮捕・拘束適否審査制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/08 23:32 UTC 版)
「刑事司法上の身柄拘禁手続 (大韓民国)」の記事における「逮捕・拘束適否審査制度」の解説
逮捕又は拘束された被疑者又はその弁護人、法定代理人、配偶者、直系親族、兄弟姉妹、家族、同居人若しくは雇用主は、管轄法院に逮捕又は拘束の適否審査を請求することができる(刑訴法214条の2第1項)。 その請求を受けた法院は、請求書が受け付けられたときから48時間以内に逮捕又は拘束された被疑者を審問し、捜査関係書類及び証拠物を調査して、その請求に理由がないと認めたときは、決定でこれを棄却し、理由があると認めたときは、決定で逮捕又は拘束された被疑者の釈放を命じなければならない(同条4項前段)。検事・弁護人・請求人は、第4項の審問期日に出席して意見を述べることができる(同条9項)。被疑者に弁護人がないときは、国選弁護人を付する(同条10項、33条)。 法院は、拘束された被疑者に対し、保証金の納入を条件として、決定で被疑者の釈放を命ずることができる(同条5項本文)。その場合には、住居の制限、法院又は検事が指定する日時・場所に出席する義務その他の適当な条件を付け加えることができる(同条6項)。もっとも、法院は、被告人の自力又は資産のみでは履行することができない条件を定めることができない(同条7項、99条2項)。逮捕・拘束適否審査請求人以外の者による保証金納入や保証金の納入に代わる保証書の提出等が許可されることもある(同法214条の2第7項、100条2項、3項)。実務上は、拘束適否審査請求書に「拘束を不法又は不当と判断しない場合には、保証金納入条件付きでの釈放を申し出る」旨を付記する慣行が定着している。 逮捕・拘束適否審査請求を棄却し、又は被疑者の釈放を命ずる決定に対しては、抗告することができない(同法214条の2第8項)。 法院が捜査関係書類及び証拠物を受理したときから決定後検察庁に返還したときまでの期間は、逮捕又は拘束の制限期間(同法200条の2第5項、200条の4第1項、202条、203条、205条、213条の2)に算入しない(同法214条の2第13項)。 逮捕・拘束適否審査決定によって釈放された被疑者は、逃亡し、又は罪証を隠滅した場合を除き、同一の犯罪事実に関して再び逮捕又は拘束することができない(同法214条の3第1項)。 保証金納入条件付きで釈放された被疑者は、逃亡し、逃亡若しくは罪証隠滅のおそれがあると信ずるに足りる十分な理由があり、正当な理由なく出席要求に従わず、又は法院が定めた住居の制限その他の条件に違反した場合を除き、同一の犯罪事実に関して再び逮捕又は拘束することができない(同条2項)。法院は、被疑者を同項の規定により再び拘束する場合などには、保証金の全部又は一部の没収の決定をすることができる(同法214条の4第1項)。 日本国刑事訴訟法には、類似の制度はない。
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