近畿の集合住宅としての文化住宅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 23:15 UTC 版)
「文化住宅」の記事における「近畿の集合住宅としての文化住宅」の解説
近畿地方における集合住宅の一呼称。1950 - 60年代の高度経済成長期に使われ始めた用語で、主として当時に建てられた瓦葺きの木造モルタル2階建てで、1-2階の繋がったメゾネット、あるいは各階に長屋状に住戸が並んだ風呂なしアパートを指す。実際には、各戸に独立した玄関があり、トイレも台所も風呂もついている 連棟式集合住宅(例えば1棟4戸など)が多かった。「文化」(「ん」にアクセント)と略称されることもある。この種の住宅が「文化住宅」と呼ばれたのは、それまでの長屋や下宿屋など集合住宅の多くが便所や台所を共用としていたのに対し、これらの設備を各住戸に独立して配置したことから、従来の集合住宅よりも「文化的」という理由である。 こちらの「文化住宅」の起源ははっきりしない。 近畿にも戦前の「洋風住宅としての文化住宅」は阪神間など大正から昭和初期に開発された地域に多数存在する(阪神間モダニズムを参照)が、言葉としての「文化住宅」は一般に普及せず、もっぱらこちらの意味が広まった。 近年は老朽化が進み、1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災では多くの「文化住宅」が倒壊し、住人の多くが犠牲になった。これらが密集した地区の再開発が老朽化に伴う建て替えとも絡んで課題となっている。
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