近年巨大数論者の間でほとんど用いられない理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 02:06 UTC 版)
「回転矢印表記」の記事における「近年巨大数論者の間でほとんど用いられない理由」の解説
回転矢印表記は、確かに矢印表記からチェーン表記に拡張した時と同じ方法でチェーンを拡張するという単純な発想で非拡張チェーンのレベルを超える巨大数を生み出すものの、 配列表記の方が効率的に数の大きさを爆発させることができることを2006年にクリス・バード自身が証明し(バードの証明)、回転矢印表記及び旧バード数に関する記述は既に自身のホームページから削除されていること 配列表記以外にも、ハイパーE表記の拡張系や超階乗配列表記などより効率的に数を増大させる表記法が開発されていること 回転矢印表記相当のレベルの巨大数を表す場合でも、同じ拡張チェーン系で後に考案されたピーター・ハーフォードによる拡張チェーン表記の方が定義や記述がすっきりしていること。ちなみに、回転矢印表記やピーター・ハーフォードによる拡張チェーン表記に相当するレベルの巨大数は、多変数アッカーマン関数で4変数程度、配列表記で5変数程度のレベルとなる。 といった理由により、近年では巨大数論者の間では回転矢印表記が用いられることはほとんどなくなっており、特に海外ではこの記法は普及しなかった。 実際、旧バード数におけるN(=3(↑G)(↑G)(↑G)(↑G)3)と旧バード数を配列表記で近似してみると、旧バード数におけるNは≒{3,3,2,1,4G+1}≒{3,3,2,1,G}≒{3,3,2,1,{4,65,1,2}}≒{G,2,1,1,1,2}(詳細は後述)と5~6変数レベル、旧バード数そのものも大雑把に見積もっても{3,3,2,2,1,2}より大きく{4,3,2,2,1,2}より小さい(可能な限り厳密に見積もれば≒{3,{{3,3,2,1,{4,65,1,2}},3,1,2,1,2},1,2,1,2})という結果となり、これは6変数配列表記レベルの数としては比較的小さい数に留まってしまう。 その後クリス・バードは配列表記を用いてそれを発展させて巨大数を作成する方針に転換し(バードの配列表記)、新たな定義によるバード数(新バード数)を定義し、実際にそれは計算可能なふぃっしゅ数のうち最大のふぃっしゅ数バージョン6をも大きく超える数となっている。 このように、近年では巨大数論者の間で見向きもされなくなった回転矢印表記と旧バード数であるが、日本の巨大数の歴史という面では、回転矢印表記が2chでしばらく用いられたのと、旧バード数を本質的に超えることを目標にふぃっしゅ数バージョン3(回転矢印表記のレベルを超えた巨大数)が開発されたという点を考慮すると、それなりに重要なポジションを占めていると考えることもできる。 ちなみに旧バード数におけるNの変形および配列表記による近似の詳細は次の通りである: N=3(↑G)(↑G)(↑G)(↑G)3、これは更に回転矢印表記の定義より、3(→G)3(→G)4と直すことができ、別表記では↑4G+1(3,3,4)となる。 つまり配列表記に当てはめて≒{3,3,2,1,4G+1}となる。 しかし、Gは十分な巨大数なので、4を掛けたり1を足したりした所で巨大数として無視できるレベルの増加にしかならない。つまり、≒{3,3,2,1,G}と近似しても良い。更に、≒{3,3,3,3,G}または{10,10,10,10,G}、あるいは≒{G,G,G,G,G}={G,2,1,1,1,2}としても良い。上位の数字が巨大数であれば、下位の数字は(その数のオーダーを超えない範囲で)いかようにも近似できる。 各種ふぃっしゅ数とバード数の大小関係は次の通りである: ふぃっしゅ数バージョン1<ふぃっしゅ数バージョン2<(旧バード数におけるN)<旧バード数<ふぃっしゅ数バージョン3<ふぃっしゅ数バージョン5<ふぃっしゅ数バージョン6<新バード数<ふぃっしゅ数バージョン4<ふぃっしゅ数バージョン7
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