近代、現代における都市国家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 20:20 UTC 版)
「都市国家」の記事における「近代、現代における都市国家」の解説
ヨーロッパの都市国家の多くは、ドイツ統一、イタリア統一運動によって、領域国家の機構の中に組み込まれた(ドイツの場合は、それ以前のナポレオンの占領によって、帝国自由都市としての地位を失っている)。 それでも第一次世界大戦後にはダンツィヒが国際連盟保護下の都市国家である自由市(自由都市ダンツィヒ)となり、フィウーメやバトゥミも短期間だが自由市とされた。第二次世界大戦後には、トリエステが国際連合の管理下で都市国家(トリエステ自由地域)となることが決まったが実現しなかった。 現代ではシンガポール、モナコ等が挙げられる。アラブ首長国連邦を構成する首長国も、アブダビ以外の6か国は極めて狭小であり、都市国家に近い存在である。 主権国家ではないが、ドイツ連邦共和国を構成する連邦州であるハンブルクやブレーメン、中華人民共和国の特別行政区である香港やマカオ、ギリシャのアトス山において大幅な自治が認められているアトス自治修道士共和国等も、都市国家に近い存在である。ハンブルク、ブレーメンはナポレオンの占領下でも帝国自由都市の地位を失わなかった歴史を持ち、「自由ハンザ都市」という呼称もあり、正式名称も「自由ハンザ都市ハンブルク」「自由ハンザ都市ブレーメン」となっている。なお、連邦州としての「自由ハンザ都市ブレーメン」は、ブレーメン市とブレーマーハーフェン市の2都市からなる。 また、厳密には都市国家とは言い難いが、面積が狭小なジブチ、ナウル、サンマリノも都市国家に準ずる国家であると見なされる場合もある。ジブチやサンマリノでは一国がほぼ首都の経済圏となっており、ナウルは小さなひとつの島で構成されているだけであるからである。ただし、ジブチやサンマリノでは小さいながらも首都以外の行政地区も存在する。逆にナウルでは、そもそも「都市」と呼べるほどの集落が存在しない。 バチカン市国も都市国家であるが、カトリック教会の総本山であり、他の都市国家とは性格が異なる、極めて特別な存在である。また行政区域としてはともかく、歴史的、地理的、生活圏としてはローマ市の一部であり、言わば都市国家未満の存在である。
※この「近代、現代における都市国家」の解説は、「都市国家」の解説の一部です。
「近代、現代における都市国家」を含む「都市国家」の記事については、「都市国家」の概要を参照ください。
- 近代、現代における都市国家のページへのリンク