農民工の第一世代と新世代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 06:21 UTC 版)
1990年から2000年代の初期、広い地域をまたがって内陸部から東部に大移動した農民工の大半は、1960年代から1970年代までの生まれで、出稼ぎの目的は、農村にいる家族への仕送りが圧倒的に多かった。彼らは「第一世代農民工」と呼ばれ、故郷の家を建て替え、生活費や子供の教育費もある程度貯まったら、農村に戻りたいと考えていた世代であった。「現金を稼げればよい」と単純に考え、権利意識がほとんどなく、どんな劣悪な環境でもつらい肉体労働でも不公平な待遇でも限界まで耐え抜く。2006年国家統計局の調査では、彼らは都市部の労働者の半分以下の給料で働き、労働時間は1日平均9時間、休日が全くない人は全体の47パーセントだった。これらの第一世代に対し、子供の頃から都市で暮らす彼らの子供たちや、2003年頃以降に都市に移り住んだ「80後(バーリンホウ)」「90後(ジュウリンホウ)」の若者は「新世代農民工」と呼ばれる。彼らは権利意識が高く、携帯電話やインターネットを使いこなし、横のつながりを持っているため、「泣き寝入り」などはしない。2010年以降、日系企業で頻発した賃上げ要求ストライキは、ほとんど新世代農民工によって起こされている。
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