軍用ブルドーザー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 05:34 UTC 版)
イスラエル国防軍のD9装甲ブルドーザー ドーザーブレードを装備したM4中戦車 ブルドーザーは軍用でも用いられる。陣地や塹壕の造営といった任務だけでなく、敵の築造した塹壕やバリケードといった障害の排除にブルドーザーが有効であるため。 イスラエル国防軍は、米国キャタピラー社のタイプD9(英語版)のキャビン・エンジン、その他を装甲し、機関銃・発煙弾投射機・擲弾発射機などを取り付けたものを多数保有し、新規のユダヤ人入植地など紛争地帯で敵対勢力の立てこもる家屋を壊す一種の兵器として使用している。2003年にはガザ地区で抗議活動を行っていた米国人女性レイチェル・コリーが同車に轢かれて死亡する事件が起こっており、このため米国内ではD9のイスラエル向け輸出に対する反対運動が起きている。 D9装甲ブルドーザーのように民生品を改造したブルドーザーがある一方で、最初から軍用として開発されたブルドーザーもある。一般的にブルドーザーの最高速度は遅いが、アメリカ軍のM9ACEは戦車と同等の速度と航続距離を持ち、最前線に進出して塹壕を兵士ごと埋める戦法を行った。陸上自衛隊が保有する75式ドーザは、砲煙弾雨の中で作業できるように弾片や小銃弾に対する装甲が施されている。また、ブルドーザーを保有せずとも、工兵車両や戦車などの装甲戦闘車両にドーザーブレードを装備して、整地や塹壕掘り、バリケード破壊などに用いられる事も多い。 この他、イラン・イラク戦争における第5次ヴァル・ファジュル作戦では、イラン側が日本製ブルドーザーを投入、ドーザーブレードで銃弾から歩兵を守る盾となった。
※この「軍用ブルドーザー」の解説は、「ブルドーザー」の解説の一部です。
「軍用ブルドーザー」を含む「ブルドーザー」の記事については、「ブルドーザー」の概要を参照ください。
- 軍用ブルドーザーのページへのリンク