軍の内部報告書(タグバ報告書)と証拠写真・映像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 02:33 UTC 版)
「アブグレイブ刑務所における捕虜虐待」の記事における「軍の内部報告書(タグバ報告書)と証拠写真・映像」の解説
同年1月、米軍はアントニオ・M・タグバ少将に命じて内部調査を実施した。その結果、翌2月から3月にまとめられたのがタグバ報告書である。この報告書は、全部で6000ページと膨大な量があったが、「ザ・ニューヨーカー」(5月10日号)にリークされるなどした文書は53ページに過ぎない。 タグバ少将が米議会上院軍事委員会の公聴会で証言を行った翌日である5月12日、委員らによる非公開の会合の場で、既に報道されていたものとは別の虐待の証拠写真、1,800点が示された。既に公開されていた写真の内容から予想していたよりもひどいものだったと委員の1人がコメントしているそれらの写真には、犬をけしかけている様子や、頭に袋をかぶされて自慰行為を強制されている様子、同性間で性行為を強制されている様子などが撮影されていた。また、女性が銃を突きつけられ、乳房を露出させられている写真もあった。その前日には、CBSの「60ミニッツ」で新たな映像が公開されていた。この映像は米兵のビデオ日記で、刑務所内で死亡したイラク人2人について一切の敬意を払っていないことをはっきりと示す内容だった。 このときに非公開の場で米上院議員の一部にだけ示された写真を開示すべきという訴えを、アメリカ自由人権協会 (ACLU) が起こしていたが、2014年にその訴えが一部通り、その結果として2016年2月に200点近くの写真が公開された。この段階になっても公開されていない写真も大量にある上に、公開された写真も文脈や背景情報をそぎ取られており、アブグレイブ刑務所で米軍が何をしていたかについての全容解明には程遠い状態である。ACLUでは引き続き、全面開示を求めていくとしている。
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