超越論的主要問題の第一部:如何にして純粋数学は可能か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/31 06:52 UTC 版)
「学として現れるであろうあらゆる将来の形而上学のためのプロレゴメナ」の記事における「超越論的主要問題の第一部:如何にして純粋数学は可能か」の解説
この部分は、要するに『純粋理性批判』から超越論的感性論の要約版になっている。この中で、カントは空間と時間の超越論的観念性についてのひょっとすると最も有名な教説を展開している。要約すれば次のようなことが述べられている。空間と時間は実在的には存在しない、つまり、人間から独立には存在しない。すなわち、それらはむしろ(人間の)全ての感性的経験の根本条件であり、それで以て我々が現実を見るようなメガネのようなものである。 全ての感性的経験の必然的条件である純粋な直観形式である空間と時間とを以て、この理論は特に次のことを説明しようとする。なぜ数学と幾何学(カントの時代での)における判断は全ての経験判断を超えた破棄できない必然性をもつのか。すなわち、両者が現実において我々から独立に形成されうるのならば、それらについての言明は、例えば「全ての(健全な)犬は四本の足を持つ」のような帰納推理による比較的普遍的な言明の確実性を要求しうる。すなわち、我々が「これまで」見てきた限りで、犬類の(健全な)生物は四肢を持つ。我々がある日三本の足をもったそのような生物にも出くわすだろうことを不可能にしないのは何か。
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