超越論的ニヒリズム/方法論的自然主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 22:05 UTC 版)
「思弁的実在論」の記事における「超越論的ニヒリズム/方法論的自然主義」の解説
レイ・ブラシエは著書『Nihil Unbound: Extinction and Enlightenment』にて、哲学はこれまで絶滅というトラウマ的な考えを避け続けており、絶滅という考えによって条件付けられた世界において意味を見出そうと試みてきたと論じている。大陸哲学における現象学と解釈学のアプローチ、また生命について論じるジル・ドゥルーズのような思想家は、ニヒリズムの「脅威」を食い止めて世界に意味を根付かせようと試みているとしてブラシエは批判する。それに代わり、アラン・バディウ、フランソワ・ラリュエル、ポール・チャーチランド、トーマス・メッツィンガーといった哲学者を援用することで、ブラシエは世界には内在的に意味が欠如していることを示そうとしている。つまり、ブラシエはニヒリズムを避けるのではなく、それが現実の真理であることを受け入れているのである。バディウとラリュエルの読解を通じてブラシエが導いた結論とは、宇宙の根拠とは無であり、哲学は「絶滅のオルガノン(道具、機関)」だということ、すなわち、生が絶滅によって条件づけられているからこそ、思考が存在するということである。そしてブラシエは、思考は存在とではなく非‐存在と結合するというラディカルな反‐相関主義的哲学を擁護する。
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