超越論的主要問題の第二部:如何にして純粋自然科学は可能か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/31 06:52 UTC 版)
「学として現れるであろうあらゆる将来の形而上学のためのプロレゴメナ」の記事における「超越論的主要問題の第二部:如何にして純粋自然科学は可能か」の解説
この部分は、手短に言えば、『純粋理性批判』の超越論的分析論の思想を再現している。すなわち、前の部分では感性的認識の必然的前提が主役を演じたが、ここでは(カント的な意味での)悟性が認識するものが核心にある。「実体」、「原因と結果」、「普遍性」等々のような原理的な、自然科学(カントの時代の)における中心概念(カントはそれを「カテゴリー」と呼ぶ)が、空間や時間と同じように我々の認識のうちで必然的条件となることを悟性は証明しようとする。すなわち、我々はカントに従って、二つの連続する出来事の関係(太陽が石を照らす、石が温まる)を因果性のカテゴリーの下で考察することができる。カテゴリーはかつて単に連続していただけのものに客観的必然性を与える。すなわち、まさに太陽が石をてらす「ので」、石が温まるのである。 これも、普遍的で自然科学的な言明に、単なる帰納を超えて達せられるある種の必然性と合法則性を確保するという上述の目的と似ている。ちょうど原因と結果の取り扱いはさらにヒュームに対する明白な反対と見なされる。ヒュームは因果関係についての我々の言明の客観的実在性を攻撃し、そこに出来事についての観察された関係について必然性を想定する習慣への単なる主観的で心理学的な傾向だけを認めた。
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