起源と実態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 16:53 UTC 版)
帝国主義がある限り、それはその言葉通り、自らの支配を他国へ及ぼそうとする。今日、その支配は新植民地主義と呼ばれる。 —チェ・ゲバラ(マルクス主義革命家)、1965 第二次世界大戦が終結し植民地において勃興した独立運動を経て、軒並み脱植民地化を達成した直後のアフリカで用いられたのが始まり。独立後も自国が旧宗主国やその他先進国による、新手の植民地主義に従属しているのではとの懸念が一部指導者らの間で存在し、中でも独立間も無いガーナで1957年に指導者となったクワメ・エンクルマは、「新植民地主義」の語を用いた人物の1人として知られる。 古典的な定義はエンクルマが著した『帝国主義の最終段階としての新植民地主義』(1965年) に詳述されているが、本書は19世紀の帝国主義が資本主義制度の要求に基づくとするレーニンの帝国主義論(1916年)を下敷きとするものである。エンクルマはその中で「帝国主義の主な先兵たる植民地主義に代わり、我々は今や新植民地主義の只中にいる。(中略)新植民地主義は植民地主義と同様、資本主義国家における社会的矛盾を輸出する試み」とした上で、次のように述べている。 新植民地主義とは結局のところ、外国資本が発展途上地域の開発というより、搾取を目的に用いられるということに尽きる。新植民地主義下の投資により、先進国と非先進国との格差が縮まるどころかむしろ拡大している。対新植民地主義闘争は非先進国から先進国の資本を締め出すのではなく、非先進国を貧困状態に陥れるべく利用される先進国の金の力を食い止めるべく行わねばならぬ。
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