赤血球の分化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/14 07:48 UTC 版)
詳細は「造血」および「赤血球#生成と破壊」を参照 赤血球が成熟する過程で、細胞は一連の「分化(differentiations)」を経る。次のような成熟段階はすべて骨髄内で起こる。 多能性造血幹細胞である血球芽細胞は、 骨髄系(共通)前駆細胞または多能性幹細胞となり、さらに 単能性幹細胞、そして 前正赤芽球(英語版)(一般的には前赤芽球または原始赤芽球とも呼ばれる)になる。 これは好塩基性または初期の正染性赤芽球(一般的には赤芽球とも呼ばれる)となり、次に 多染性または中期の正染性赤芽球、そして 正染性または後期の正染性赤芽球となる。この段階で細胞から核が排出され 網赤血球となる。 最終段階の後、この細胞は骨髄から放出されるため、新しく循環する赤血球には約1%の網赤血球が含まれる。1~2日後、これらは最終的にエリスロサイト、すなわち成熟した赤血球になる。 これらの段階は、細胞をライト染色で染色して光学顕微鏡で観察したときの特定の外観に対応し、さらにその他の生化学的な変化に対応している。 成熟の過程で、好塩基性前正赤芽球は、大きな核と900 fL(フェムトリットル)の体積の細胞から、95 fLの体積の除核された円盤状へ変化する。網赤血球の段階までに、細胞はその核を排出しているが、まだヘモグロビンを産生する能力をもっている。 赤血球の成熟には、ビタミンB12(コバラミン)とビタミンB9(葉酸)が不可欠である。どちらかが欠如すると、赤血球形成の過程で成熟不全が起こり、臨床的には網赤血球が異常に少ない状態である網状赤血球減少症(英語版)として現れる。
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