認証事業の公平性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 08:31 UTC 版)
「世界自然保護基金」の記事における「認証事業の公平性」の解説
WWFが認証制度の立ち上げに関与する場合、WWFと利害関係を持つ特定の企業に有利に制度設計が行われているのではないかと疑いが持たれているケースが幾つかあり、その独善的な振る舞いを指摘する声がある。独立性や公平性などの点でも複数のNGO団体などから疑問が呈されている。 WWFとユニリーバの提携事業により設立されたMSCは特定の独占的営利水産企業をグリーンに仕立て上げ、海洋資源の保全や公正な分配という点で問題があることが国際NGOの「国際野生生物管理連盟」(IWMC-World Conservation Trust)によって指摘されている。また、MSCに対しては、反漁業キャンペーンを展開してきた団体に水産資源の管理責任を任せることに対する懸念が水産庁関連団体の「海の幸に感謝する会」によって表明されている。 RSPOはグリーンウォッシングの一種ではないかと疑問視する250を越えるNGOなどの組織からの反応がある。RSPOに懐疑的なNGOによれば、パーム油の開発はきわめて広大なプランテーションを必要とし、熱帯雨林などの生態系の破壊など環境負荷が大きく、そのほかにも地域共同体の生活の破壊、オランウータンの棲息地が脅かされるなど、根本的に持続可能なパーム油の開発は不可能との見解が示されている。 熱帯雨林を守っている先住民ネットワークを含む国際NGOの「世界熱帯林運動(英語版)」(WRM) は、FSC認証スキームを利用して大規模なモノカルチャーのプランテーションを推進すべきではなく、それらは必ずしも森林保護に結びついていないと主張している。 WWFの提唱する「紙のスコアカード」に対して、PEFC評議会から公平性の点で疑問が呈されている。 WWFが設立のイニシアティブをとる水産養殖認証ラベルの「水産養殖管理協議会」(Aquaculture Stewardship Council; ASC)は先住民や地域コミュニティの声が排除されており、世界中の地域から70を越える人権・環境グループがASCの設立に反対を表明している。
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