解体・移動と設置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/07 15:57 UTC 版)
移動の際には周囲を囲む天幕を外して畳み、支柱は束ねて括り、敷物を片付けるだけで済み、設置も撤去も短時間のうちに行うことが可能である。平原部族はかつてバッファローなどの狩猟のため移動を繰り返していたため、モンゴル遊牧民のゲルのように(むしろゲルより頻繁に)移動することが当然の生活スタイルとして定着していたため、このような住居が発達した。 柱は一まとめにされてトラボイ(Travois)として犬や馬に引かせる荷台(末端を地面につけて引きずるソリのようなもの)とし、荷物や赤ん坊を載せた。車輪よりもこの引きずり方式のほうが、あらゆる地形に対応できた。このような使用のため、柱は擦り減って次第に短くなるものだった。保留地時代になると、ティピーはみんな大型のものばかりになっていったが、これは移動生活が白人によって禁止されたために、柱が磨り減ることがなくなったためである。 ティピーを建てるのは女性の仕事だった。19世紀にインディアン戦士たちと狩りに出た白人が、野営の際、男たちがティピーの建て方を全く知らなかったという記録を残している。 正式なティピーの建て方は、まず地面に穴を開ける許しを精霊に請い、呪い師が清めの儀式を行い、柱を挿す穴を円形に掘り、柱を円錐形に立てる。これをロープ(昔はバッファローの腱)で巻いてまとめるが、この際、柱の周りを一回りするごとに祝詞を上げる。その後ロープの先端を中央部に下ろし、木の杭でしっかりと地面に留める。それから天幕を被せる。
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