複製とパッケージング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 10:24 UTC 版)
「T4ファージ」の記事における「複製とパッケージング」の解説
T4ファージのゲノムは宿主のRolling Circle Replicationによって合成される。ファージが生菌の菌体内でDNA複製にかける時間は、ファージ感染大腸菌におけるDNA伸長速度として測定される。37°CでDNAの対数増加期における伸長速度は毎秒749bpである。DNA複製時における1塩基あたりの変異率は、1.7 × 10−8であり、T4ファージのDNA複製は非常に正確である。これは300コピーのT4ファージゲノムが、一つしかエラーを生じないことを意味する。また、T4ファージは独自のDNA修復機構を持っている。ファージの頭部は足場タンパク質の周囲に空の状態で組み立てられ、足場タンパク質はその後分解される。DNAは小さい孔を通過して前駆体頭部 (prohead) に格納されるが、DNAの格納に関わるのがDNAと最初相互作用するgp17であり、この分子はDNAの折りたたみモーター及びヌクレアーゼとしても機能する。T4ファージの頭部にDNAを折りたたむ速度は1秒あたり2000塩基長であり、大きさを同等にした場合、その馬力は平均的な乗用車用エンジンに相当する。また溶菌サイクルにおいて、ファージのカプシドへ細菌DNAの一部を取り込む形質導入が生じる。
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