製法と生産店舗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 08:09 UTC 版)
さわ餅の生産・販売を手掛ける和菓子店は志摩市・伊勢市・松阪市にあるが、地域による製法の違いはない。ついた餅を薄く延ばし、正方形に形を整え、小豆餡を載せて2つ折りにするというシンプルな製法である。2つ折りにすると竹に似た長細い形になる。土台となる餅は白餅とよもぎ餅の2種類ある。餅に挟む小豆餡は、志摩ではこしあんを使うが、松阪では粒あんを使う。ほんのりと塩味のする甘さ控えめの餅である。 松阪市には多くのさわ餅生産店舗があり、「餅を食べる」と言うとさわ餅を指すほどに広く定着している。特に文政2年(1819年)創業の「伊賀屋」と天保元年(1830年)創業の「福徳餅」(本店は西町)が代表的な店舗である。伊賀屋はさわ餅のみを生産し、福徳餅本舗(湊町)はさわ餅以外にも福徳餅やぜんざい、赤飯なども扱っている。伊賀屋のさわ餅はやや厚みがある。福徳餅(西町)ではぜんざいは扱っていない。伊賀屋は数年前に廃業。 一方、発祥の地とされる志摩市磯部町で生産する店舗は「餅喜商店」と「竹内餅店」の2軒のみである。この2店舗で使う小豆餡は北海道産の大納言という品種のアズキを原料とし、餅つきは機械を使わず杵で搗く。餅喜商店は店頭販売のみであるが、竹内餅店では伊勢志摩のスーパーマーケットなどにも卸している。このため、2013年(平成25年)9月8日に日本テレビ系列で放送された『ザ!鉄腕!DASH!!』の企画「0円食堂」では、道の駅伊勢志摩でさわ餅を発見した城島茂が竹内餅店を訪問し、さわ餅の切れ端をゲットした。 伊勢市では、へんば餅を生産する「へんばや商店」やマスヤの関連企業「和菓子の万寿や」などがさわ餅の生産も行っている。市内の観光地「おかげ横丁」でも取扱店が数軒ある。へんばや商店では、さわ餅にへんば餅と同じ餡を使用する。和菓子の万寿やでは、こしあんを赤福から仕入れていたため、同社の偽装事件が発覚した際に、売れ残りの赤福餅から取った餡(社内で「むきあん」と呼称)をさわ餅に使っていたことが判明した。
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